種と土と野菜の学校 石井ピュアファーム通信vol.39 2021年11月25日配信号
「種と土と野菜の学校 石井ピュアファーム」の会員向けメルマガ通信から抜粋したものを掲載しています。
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今年もあと約1ヶ月となりました。
福岡では、朝は寒く昼間は比較的暖かい日が続いたので無肥料栽培野菜は順調に育っています。
種からこだわった無肥料栽培野菜で体を整えて年末年始も元気でお過ごしください。
(事務局 李)
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ー 農法の違い ー
石井ピュアファームで伝えている農法を理解していただくことが一番の基本だと思っていますが、なかなか理解してもらえません。
それは、自然農法や自然栽培、自然農等とごっちゃになっている人が多く、説明しても頭の中で整理できず、石井ピュアファームで教えている農法が「無肥料栽培」であることを正しく言ってもらえません。
ですので、改めて「無肥料栽培」の説明をします。
まず初めに肥料と堆肥とは意味合いが違います。農水省でも分けて説明しています。
そのため堆肥を使っていても肥料は使っていないのだからと無肥料栽培であると提唱している生産者も沢山います。
石井ピュアファームのセミナーや農業研修で教えている無肥料栽培とは、農薬や肥料は勿論のこと堆肥やボカシ肥だけではなく、草や野菜残渣も畑に入れませんし水遣りも一切しません。
一般的なきれいで大きくて立派な野菜は肥料をたくさん入れて水をたっぷり上げて作っています。
私が求めているのは、誰でも食べられる野菜です。
アレルギーや化学物質過敏症の方でも食べられる安心安全な野菜です。
化学肥料は勿論のこと動物の餌に含まれる化学物質や米糠に使われている農薬など、あらゆる化学的な物質を使わずに最低限の資材で作ることを推奨しています。
また、完熟堆肥や腐葉土も使いません。
一般的に言われている自然農法や自然栽培は、肥料は使用しませんが、堆肥や腐葉土は使うことが多いのです。また、自然農は基本的に不耕起ですので除草は種まきの時だけ最低限します。
また他の農法では、種にこだわり、水遣りをしないという選択はありません。
どこまでも食の安心安全だけを求めて行う農法が、石井ピュアファームの提唱している無肥料栽培(無肥料栽培農法)なのです。
なにも入れないので無肥料栽培は誰にでもできる農法です。
畑を耕起をして畝を作り、マルチを貼り(除草が出来る環境であればマルチは入りません。)時々除草をして、時々間引きをして収穫する。これだけです。何も使いません。誰でも出来る簡単な農法です。ただし、使う種だけは登録されていない固定種を使い、自家採取します。苗は原則作りません。気候によりやむ終えない場合に限って畑の土を使って苗を作ることがある程度です。
〈 収穫、出荷情報 〉サツマイモ 、里芋、ジャガイモ、牛蒡、水菜、小松菜、大根、白菜、山東菜、カブなどです。
〈 種蒔き情報 〉春菊、ほうれん草
(石井)
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ー 農法と種の関係 ー
無肥料栽培の種は何がよいのですか?
種は車の両輪のごとく、栽培方法が同じでなくてはうまくいきません。
つまり、農薬や化学肥料をたっぷりと使って栽培している一般の種を使う場合、農薬・化学肥料を使った栽培方法であれば収量も病害虫対策もうまくいくはずです。
しかし、農薬を使った栽培による種で無農薬や減農薬栽培、無化学肥料や減化学肥料栽培をした場合、収量や病害虫により秀品率があまりよくありません。
無肥料栽培で実施している農家や有機栽培農家、減農薬栽培などのこだわり農家が収量が悪いとか良く出来ないという理由の半分は種が原因なのです。
種も農法と同じ栽培方法であれば最もよく、少なくても無農薬栽培で作付けをしているのであれば無農薬で採種した有機種子などを使うほうが病害虫対策もうまくいって作りやすいはずです。
安心・安全を重視するのであれば栽培方法も大切ですが、海外の有機認証の基準のとおり有機農産物には有機種子を使用した農産物であるということが最も大切です。
しかし日本ではまだまだ有機種子の普及はありませんので、有機農産物の基準には原則有機種子使用ではありますが、手に入らない場合の是正処置としてやむ終えず遺伝子組み換え種子でなければ通常の購入種子を使っても良いということになっています。
また、種には栽培方法とは違った点もあります。
それは育種の方法とそれを管理する処置の方法があるということです。
つまり、育種にはF1という遠い品種の掛け合わせにより2世代目が採種できにくくしているのです。その上、出荷の際には雄性不稔といって雄として受粉が出来ないようになった突然変異の雄を掛け合わせ次世代が出来ないように処置しています。
また一代交配種の技術としては、自殺種や遺伝子操作種子、遺伝子組み換え種子などバイオ技術によって次世代に繋がらないように処置している種もあります。
この種は遺伝子操作をしていますと、公表されているのであれば使わないのですが、意外と公表はされておりません。
むしろ、そういった技術は企業秘密だとしている会社もよくありますし、ほとんどが海外に委託している種業界では、採種方法は知らされていないことも多いようです。
日本の種屋も購入者も誰も分からないので、知らずに遺伝子操作種子を使っている有機農産物の生産者もいるのが現状です。
安心安全の問題では農薬問題も毎年強くなっていますし、動物の餌問題も安全性を求めるがために化学薬品などの摂取が増え、その糞尿を材料にした肥料も増えているため、動物性堆肥を使ったために安全性が脅かされている現状も見逃せません。
日本の戦前の時代には、種は農家が自分で採種していて購入するなどはもったいないとして自家採種が基本でした。肥料は人糞を使っていて、農薬は今では禁止されているような強いですがDDTなどの浸透圧は低く、洗えば落ちるようなものでした。
人糞といっても当時の食事は質素なもので、今のように農薬だらけ、添加物だらけではなく、健康的な食事内容でしたので、肥溜に溜めて自然に微生物醗酵させたものを使用していました。
ちなみに現代の浄化槽の状況を水道局の方にお話を聞きました。昔は微生物で浄化できたのに年々微生物だけでは浄化が出来なくなってしまい、化学薬品を投与しないと浄化できないということでした。
これは、如何に現代社会の食事が化学製品で出来ているのかということだと力説していました。
話は少し脱線したが、先ず種だけは農法と同じ作り方のものを選んでください。
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