種と土と野菜の学校 石井ピュアファーム通信vol.38 2021年10月25日配信号
「種と土と野菜の学校 石井ピュアファーム」の会員向けメルマガ通信から抜粋したものを掲載しています。
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10月中旬から急に寒くなってきました。野菜たちもようやく芽を出し順調に育っています。
(事務局 李)
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ー 無肥料栽培とは?ー
「無肥料栽培」というキーワードは最近あちこちで目にする言葉だと思いますが、では、内容を本当に理解できているか??というとほとんどいないでしょう。
疑問に思う人の話を聞いていると肥料を全く入れずに野菜が作れるのか?という疑問がいつまでも残るようです。
インターネットで検索すると、無肥料栽培を志しているという農家を見かけることがありますが、実はほとんどの農家が野菜のための肥料は入れていないけど、土づくりのために腐葉土や緑肥を入れているのです。
肥料観念で入れていないので無肥料だという考え方です。でも結局は野菜作りのために入れる栄養なので肥料と同じことです。
1年間学ぶ農業研修生で自分の畑で無肥料栽培をしながら学んでいる生徒さんも多くいますが、それでも無肥料栽培について理解している人はほぼいません。
無肥料栽培は一見簡単に見えますが、とても奥が深いからです。
最近も「無肥料栽培が肥料を入れずになぜ育つのか?という疑問がいつまでも残り、セミナーや農業研修で学んでもどうも納得出来ない。」という話も聞ききました。
今回は改めて、なぜ無肥料栽培では肥料を全く入れなくても育つのか?という点をお話します。
基本的に畑の土は、微生物や土壌動物などが生き変わり死に変わりして出来た栄養分により作られています。
そのため1cmの土が作られるのに100年もの時を要するのです。
そうして出来た土は、植物にとって必要な栄養素が豊富に含まれています。
例え数年ほど土に全く何も入れなくても植物を育てる力は充分にあるのです。
無肥料栽培では、肥料や堆肥など畑に入れるものは何もありません。
強いて言えば収穫を終えた作物の根が土に残り、分解されて栄養分にもなるのです。
そのためわざわざ肥料分を入れる必要は全くありません。
窒素、リン酸、カリを入れないと育たないというのは、自然界の生態系を無視した考え方です。
雑草は何かを入れて育ていますか?
何も入れなくてもそこの土に合った雑草が生えてきます。
雑草は切っても切っても生えてきます。
品種改良で肥料を入れないと育たないF1種の野菜は、無肥料栽培ではよく育ちません。
固定種でも購入した種ではあまりうまくいきません。
固定種を自家採取して初めて収量が上がり、よく育つ元気な野菜ができるのです。
また、畑の中に残留肥料が残っていると虫が湧くのでうまく育たないし健康な野菜はできません。
健康な野菜とは、アトピーや化学物質過敏症の人でも食べられる野菜ということです。
関東にいた時、自然栽培に取り組んでも10年は土作りにかかると言われていました。
ですが、九州では気温が高く雑草の生育がとても早いので、この点を利用すれば余計な肥料成分が早く抜けます。
夏場は草刈りをしても2週間ほどで元に戻ってしまうほど草の伸びが早いです。
なので本州よりも、残留農薬や残留肥料が早く抜けてくれるのです。
本州で10年かけて残留分を抜きますが、九州では2〜3年である程度抜くことができます。
またミミズの働きも大きいです。
ミミズは窒素を身にまとい、糞は微生物たちの住処になり、糞が水分を含むことにより膨らんだり縮んだりして土の中に空気を送り込んでくれるので、土にとってよい団粒構造を形成しやすい環境を作ってくれます。
そしてミミズは死ぬと自分の持っている酵素によって分解されて窒素になります。窒素は雨からも降ってきます。リン酸やカリウムは、土の中にある微生物達が運んできてくれます。
無肥料栽培は、このような自然界を有効に活用して育つ野菜なのです。
ただし、一般的な化学肥料で水膨れにさせて大きくしたような野菜と同じような大きさの野菜は出来ませんし、一般的に求められているほどの収量もありません。
と言いますか、一般野菜のように大量生産できるのは、人間が化学的に造り上げた自然界に反した構造の上で成り立っている野菜であるということを理解してください。
大量生産した野菜には健康に悪影響を及ぼす要因が多く含まれます。
無肥料栽培の野菜は人が食べて元気になれる野菜であり、今の時代に必要な基礎体温を上げる野菜であり、免疫力が上がる野菜だと言っても過言ではありません。
誰でも食べられる野菜を作る!そんな思いから始めた野菜作りなのです。
しかし、畑を新しく始めた場所であったり、農薬や化学肥料を始め有機肥料や堆肥などを使用していた畑は無農薬無肥料栽培で野菜を育ててもすぐには上手くいきません。
残留農薬や残留肥料が残っているため身体が良くなる野菜を作るのにはどうしても少し時間がかかります。
無肥料栽培に取り組んで2〜3年は転換期間中ということで取り組んでください。
生で食べてスッキリと味が残らないようになってから自信を持って出荷してください。
〈種蒔き情報〉
そら豆、スナックエンドウ、グリーンピース、ほうれん草、カブなど
〈収穫情報〉
ゴボウ、ネギ、さつまいも、エンサイ、里芋など
(石井)
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ー こだわりすぎた素材で冬の手仕事「味噌作り」をしませんか⁈ ー
今年もこだわり玄米生麹と大豆、塩の予約販売をする予定です。
麹はお米の原種と言われている旭1号をこだわりの蔵の菌を持っているマルカワみそさんに麹にしてもらいます。
大豆はもちろん天日干し無肥料栽培のもの、そして、塩は天草の塩です。
中辛~甘味のお味噌を作る場合、大豆1キロに対して生麹1.5~2キロ、塩分濃度は12.5%(約600ℊ)
できあがりは2.5~3キロのお味噌ができます。
味噌作りは熟成期間が長ければ長いほど味わい深く美味しいお味噌に仕上がります。
10ヶ月くらいから食べられますが、できたら1年熟成。もっと美味しいのは3年熟成味噌。
3年間じっくりと熟成させた味噌は色が深くなり味はさらに深くなります。
多めに作って1年目、2年目、3年目とお味噌の変化を楽しみながら味わうのもよいですね。
今年、石井ピュアファームでは大豆6.5キロ、生麹10キロ、塩3.8キロで味噌を作ろうと思います。
約30キロのお味噌ができます。
石井ピュアファームで作るといっても石井は作らないので、ひとりで孤独に手仕事しま~す♪
大豆を煮るのが大変なので、2日に分けて仕込むと思います。
初夏の手仕事では梅干しを50キロ仕込みました(^-^;
冬の手仕事の味噌作りもがんばります( ;∀;)
ぜひ皆様もこだわりの材料で季節の手仕事 味噌作りに挑戦してみて下さい。(李)
【 味噌の作り方 】
前日の準備 |
・大豆を洗って一晩浸水させる |
味噌作り |
・大豆を指で潰れるくらいまで煮る ・丈夫なビニールに入れて大豆を潰す ・麹と塩を混ぜる(塩切り麹) ・塩きり麹に潰した大豆を加え、よく混ぜる ・混ぜた大豆を団子状に丸め、容器に隙間なくつめる ・ラップ等で蓋をし、空気に触れないようにする ・重しをのせて気温変化が少ない冷暗所で保存 |
熟成 |
・ 1年~3熟成させる |
*生麹、大豆、塩の予約注文受付は10月下旬の予定です。少しお待ちください。
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