石井ピュアファーム通信vol.34(抜粋転載)

種と土と野菜の学校 石井ピュアファーム通信vol.34 2021年6月25日配信号 

「種と土と野菜の学校 石井ピュアファーム」の会員向けメルマガ通信から抜粋したものを掲載しています。

 

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 そろそろ夏野菜が収穫できる時期となりました。今年は高温多湿の時期が早くやってきています。そのため、野菜も積算温度の到達が早く、キュウリやズッキーニはすでに種になろうとしている傾向があります。野菜の成長を観察していれば、今年は例年よりも温度が高い傾向になっていることがわかります。

(事務局 李)
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ー シードパークの夢実現に向かって ー

 

無農薬無肥料栽培に取り組んで約50年が経ちました。

25年以上前、種からこだわった無農薬、無肥料栽培を実践するために、全国こだわり生産者ネットワークを立ち上げました。その後、農事組合法人ナチュラルシードに発展しましたが、生産者だけではなく無肥料栽培を理解する流通が必要だということを実感し、有限会社ナチュラルシードネットワークを立ち上げました。そこから更に、消費者への啓蒙が必要だと痛感し、一般社団法人シードマイスター協会を立ち上げました。

 

その当時のこと、本にも書きましたが、私自身の人生のゴールには「シードパーク構想」がずっとありました。

文字通り「種からこだわる自然のテーマパーク」です。

先ずは3町歩を確保します。3町歩の広さとは、1町歩=10反=3000×3です。

そこでは約100名のスタッフが常駐しています。

場内には広い畑や田んぼ、果樹がたわわに実っています。

また、固定種の種について相談できるスペース、ショッピングスペース、また、農法を学べるスペース、種の交換が出来るスペースがあります。

さらに、畑で作った全国の在来種や自家採種、固定種の野菜や果物を収穫して食べたり、野菜に合った料理を作ってもらえたり、また、料理教室もあります。

このような種からこだわる自然のテーマパーク「シードパーク」を作りたい!とずっと考えておりました。

 

15年前くらい前は千葉県で作りたいと思い、取り組もうとしましたが、時期尚早なのか、上手く行かず、その後もなかなか進まず今に至っています。

 

九州に来て5年半、ここなら全国の野菜が作れるなぁ~と感じ、もしかしたら九州のほうがシードパーク構想が実現しやすいかもしれないと感じるようになりました。

 

現在、石井ピュアファームで1年間学ぶ農業研修を実施していますが、それも来年の6月で終了します。

その後の目標として九州圏内で「シードパークを作る!」という思いを実現させるため、人生をかけてその夢に向かって尽力していきたいと思います。

 

未来に残すべき究極の食の安心安全を追求し、種からこだわる農産物作りです。それを学べて、作って、食べられるスペースは今後の地球にとって必要なテーマパークです。

もし、ご賛同いただけるのであれば、シードパークのスタッフ、提供するスタッフは全て「種と土と野菜のセミナー」を受講されたシードマイスターや、1年間農業研修を学び終えた生徒さんたちと一緒に楽しくシードパークを作っていきたいと思っています。

 

さて、九州のどこでこのテーマパークが実現できるのか?を試行錯誤しながら探しています。

あちこち場所を考えてみた中で大分県の山間部がよいのでは

何度か行ってみましたがとても穏やかなエネルギーと自然を大切にしているところが多くあり、エネルギーも穏やかさを感じました。

大分県で拠点になる山間部に家や土地を探そうと思っていますので、もし心当たりがありましたらご連絡くいただけると幸いです。

 

また、来年7月から現在の石井ピュアファーム(福岡県福津市)の古民家(賃貸)と畑を引き継いで無肥料栽培を志してくださる方、福津への移住に興味がある方は、ぜひご連絡ください。

 

〈種まき情報〉

リーフレタス、水菜、小松菜、キャベツ、ブロッコリー、青梗菜、長ネギ、人参

 

〈収穫情報〉

ズッキーニ、キュウリ、ツルムラサキ、モロヘイヤ、ミニトマト、ジャガイモ、枝豆、インゲン

 

(石井)

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(勉強会)ー 土つくりについて ー

よく有機農業では土つくりが大切だとしています。

といっても、一般的に実際に行っているのを見ると何故か変です。

その理由は、土を作るのであれば作物は関係が無いと思うのだけど、どうも作物別に土を作っているようです。

さつま芋の土作りとか、ほうれん草の土作りというように作物に合わせた土を作っているので、それは肥料作り、堆肥作りと同じ意味のような気がしてなりません。

どんな作物でも万能の土作りでなければ、土を作るなどと言えないのでは・・?

一般的な農業は置いておいて、無肥料栽培での土作りとは本来の持つ自然の土に帰すことです。

農薬や化学肥料などで土を汚してきている畑の土を浄化させて正常な土にすることです。

自然界では虫たちや微生物達は、自然の正常化のために働いていると思います。

そのため、彼らは土の中の汚れた物質を取り除く為に日夜活動しています。

そう考えると。土作りとは彼らと一緒に地球が生まれた後に植物や生物が誕生したそのときの土の状態に少しでも近づけること。

自然の状態に戻すことです。

そのために必要な方法は、牧草や麦などの生育の早い植物を植えて、土の中に含まれてしまった化学物質などの有害物質を吸い上げて少なくすることです。

無肥料栽培では畑の土をピュアにすることが、土作りなのです。

しかし、今まで数十年、いや数百年もの間肥料を入れ続けてきたものも沢山あります。

その入れたものを全部取り除くのは不可能な話です。

でも、微生物達も遊んでいたわけではありません。

働き者の微生物達です。直ぐに虫たちが食べて分解をさせ、醗酵させ、溶かして浄化する。

そんなことを毎日365日ひたすら自分達の使命だと思って?働き続けているのです。

人間だけでしょうね。

地球をやたらと汚しているのは。

無肥料栽培では、虫たちが働きやすい環境を作ることで、短時間に土つくりが出来ます。

その方法が、成長の早い作物を植えることで、そのときには資材の何者も入れないことです。

麦や牧草などのほうが野菜と違って、食べないと分かっているのですから何も入れなくても安心でしょう?

そうして、土の中を浄化するのです。

浄化したかどうかは、次に植えた作物が病害虫の被害に合うかどうかです。

合うであれば、まだまだ浄化不完全です。

虫はいても悪さをしないなぁと感じたら浄化が終わっています。

徹底的に農薬や化学肥料を投与した畑であっても、浄化しないことはありません。

すでに色々分解などが継続的に行われてきているのでしょうから、その後5年ほど頑張れば形にはなります。

あきらめないで、畑を土を地球を綺麗にしましょう。

それが、私の言う土つくりなのです。

 (石井)

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