石井ピュアファーム通信vol.28(抜粋転載)

種と土と野菜の学校 石井ピュアファーム通信vol.28 2020年12月25日配信号 

「種と土と野菜の学校 石井ピュアファーム」の会員向けメルマガ通信から抜粋したものを掲載しています。

 

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それでも種を守りたいですかー

 

「種は誰のもの」という映画が放映されたことも影響するのでしょうか?種苗法廃止というニュースがネットに流れているのこともあるのでしょうか?また、種を守る運動に参画しませんか?という問い合わせがよく入ってきます。

以前にもメルマガで書いたことがありますが、今年の締めくくりに改めて種に対する私の考え方をお伝えします。

先ず、守りたい種ってどんな種のことを言っているのでしょうか。現在一般に販売している種について理解しているのでしょうか。

日本の種の現状を知った後で、それでも種を守りたい!と言えますか!

種子の品種改良には、突然変異が重要な鍵を握っています。

突然変異を誘発させるには、化学薬品を使ったり、放射線を使ったり、遺伝子を組み換え等、人為的に操作して起こします。

自然界でも突然変異は起きることがあるので、人為的に行っても同じことだと言い、自然と同じことをしているから大丈夫だというのですが、果たしてそうなのでしょうか。

 

自然界で起こる突然変異にはルールがあり限界もあります。人為的な操作と自然界の突然変異での大きな違いは自然界では決して種品を越えることがないですが、人為的にはあらゆる壁を越えて改良しているのです。

 

私は誰でも食べられる野菜を作るために自家採種、無農薬無肥料栽培がよいと言っていますので、遺伝子操作された等人為的に誘発された品種改良の種子を守ることは、結果として食べられない野菜が出来るので、石井ピュアファームではそのような種を使うことは認めていません。ですから、新しく品種改良された種を守るということには参画できないと伝えているのです。

 

石井ピュアファームでは品種登録されていない固定種を自家採取して、土と畑にあった種にすることが収量を増やし、誰でも食べられる野菜になるので率先して自家採取に取り組んでいます。

 

では、固定種が登録されてしまうと自家採種ができなくなってしまうのでは?という心配する声もありますが、芋類を除いて基本的に自家採取をしているのは家庭菜園や個人農家のごく少数です。大型農家は種採りは採算が合わないのでしません。

一般的な農業は苗から野菜を栽培するのが主流ですから、種苗会社が固定種を品種登録してまで採算が合わないことに取り組むことは思えません。また、固定種販売元の中心は海外の生産者です。ヨーロッパを始めとしてアメリカやイスラエル、また、IFOM認証された有機種子は世界各国で販売しています。ですから日本で固定種の品種登録されたとしても外国の登録されていない固定種はいくらでもあるのです。

 

それよりも自家採取のいちばんの問題は「交雑」です。

自分でいくら固定種の種を蒔いて自家採種していても周り近所で登録された種や苗の花が咲いていた場合、蝶々や蜂によって交雑されてしまいます。

そうすると交雑によって種苗法違反になってしまうのです。

自家採種する時は改正種苗法が承認された今年からは、特に気をつけて下さい。

純粋な種を採るために自家採種する基礎知識を勉強して下さい。

今年も開催しましたが、来年も自家採種の網掛け用ネット作りのワークショップや網掛けの方法など農業研修や農業体験を出来るだけ多くの方が参加出来るように開催したいと思っています。

 

〈収穫情報〉

ジャガイモ、サツマイモ、ほうれん草、小松菜、青梗菜、ミニ大根、レタス、白菜など

 

〈種まき情報〉

青梗菜、小松菜、山東白菜など

1月から2月は、本格的に3月からの春蒔き準備をする時期です。

 

(石井)

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今年も大変お世話になりました。

変動が多い世の中です!でも大切なことはむかしからずっと変わりません。何があっても!

良い年をお迎えください。

(事務局 李栄子)

 次回の石井ピュアファーム通信は125日に配信いたします。