種と土と野菜の学校 石井ピュアファーム通信vol.25 2020年9月25日配信号
「種と土と野菜の学校 石井ピュアファーム」の会員向けメルマガ通信から抜粋したものを掲載しています。
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-秋野菜の種まきについて-
一般的な野菜のほとんどが9月から10月に種を撒くことになります。
しかし、台風や秋雨前線の影響でなかなか畑に入れないことが多く、まだ気温も高く草も精力的に生えてくるので、草刈り作業に追われる時期でもあります。
しっかりと準備して種まき時期が遅れないようにしようとしても、種類が多いと遅れるものです。
種の袋に書いてある種種蒔き時期を参考にしている人が多いですが、それよりも、20度から23度の平均温度が種を撒くのに適した温度なのでそちらに注目してほしいです。この温度を超えていたり、低すぎても発芽しにくいのです。ですから、種の袋を気にしないで日々の平均気温を確認して種まきをして下さい。
また、雨を待って種を撒くのも大切ですが、雨が降った1日に全ての種まきをしようと無理な作業をしている人もいます。雨は次も降ります。この時期は何の種を撒くか、ということも大切ですが、種採りのことも考えて種を撒いて下さい。
この時期撒く種の種採りは、来年の春過ぎまで残しておく必要があります。その期間、春野菜の種が蒔きたい場所に蒔けない!ということがないように場所を考えて種蒔きをして下さい。
無肥料栽培で収量を増やすには、種採りが最も重要です。登録品種でない固定種を使い、自家採取すれば自分の畑に合った種になります。自家採種した種は、栽培期間中に遭遇するあらゆる異常気象や天候不純があっても、その時期を乗り越え生き残っていった種であれば、確実に遺伝子に刻まれ、次世代の種は更に最強の種になっていくのです。
実は、種を採ることを考えて蒔く作物の種蒔きは、多少時期が遅れた方がよいこともあります。
だから収穫用の野菜の種蒔きと種採り用の種蒔きは時期をずらしてもよいと思います。種を撒く場所もよく考えて種を撒きましょう。
また種蒔きの基本として種を蒔く時の土かけや穴の深さは、種の大きさの2〜3倍の土をかけます。小さな種の場合は、比較的簡単でしょうがジャガイモのように大きな種は、マルチを貼る場合は深く掘らなければなりません。浅いとジャガイモが地上部に現れてしまい青くて食べられないジャガイモが出来てしまわないようにしましょう。
マルチを張らないのであれば、あらかじめ土を掘ってジャガイモを埋めるようにします。土が硬い場合はこの方法がよいでしょう。
農業研修を受けている方はわかると思いますが、無肥料栽培を成功させるには全てが管理作業の良し悪しにかかってきます。
種を蒔いたり、除草をしたり、収穫したりという目に見える作業は簡単なので誰でもできます。ですが病害虫や獣害に襲われた場合や生育障害や生理障害などに遭遇した場合の管理作業が大切です。この時、異変が起きたら被害が大きくならないように直ぐに適切な処置で対応することや事前に察知して被害を未然に防ぐことが大切なのです。これは、日頃からの畑周り、観察以外にありません。この対処方法を学ぶことが研修であり、無肥料栽培野菜を作るうえでの大切な技術と言えます。
畑をしている皆さんも、作物の観察をして異常があれば速やかに適切な処置で対応してください。もし、疑問を感じたり、分からなかったらメールでも良いので、写真を撮って石井ピュアファームに相談してください。
〈畑情報〉
収穫野菜ーサツマイモ、エンサイ、ツルムラサキ、冬瓜、ナス、ピーマン、シシトウ、オクラ、唐辛子等
種まき野菜ージャガイモ、白菜、葉物(小松菜、水菜、春菊)、大根、キャベツ、ニンジン、カブ、玉ねぎ、長ネギ等、種取りが可能な野菜全般。
(石井)
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